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羅針盤

遠山由美

4月14日(金) - 28日(金)

遠山は文字をかくことを通して、ことばのまとう微細なニュアンスを捉えようとDual Letter/両面文字という、日本語と英語どちらにも読める独自の文字をつくり出しました。近年では、図と地ともに意味があり、その二つの言葉の間に真意はあるとするNon Dual Letter のスタイルでも制作しています。今回は、約二年前から長野県に拠点をえた遠山がNon Dualをさらに発展させた、「羅針盤」シリーズを展示いたします。東京と長野の二重生活 Dual Life から生まれた新作をご高覧ください。

羅針盤

ここに四つの方位を示すことばをかいた。
けれどこの羅針盤に針はなく、
さすのは常に真ん中だ。
東であって西であり、南であって北でもある、
その間が自分の立つ位置。
どこにいようと変わらないその点の先には、
どんな風景が見えてくるのだろう。

十年ほど前、
作品集『両面文字/Dual Letter』に、
このようなことを記した。
 わたしの役目はことばをのせる舟をあつらえること

さてここは、大海原をみすえた港なのか、
見知らぬ里山の町はずれか、
あるいは小さなギャラリーの片隅かもしれないけれど、
視界は360°ひらけている。

どこにいようとGPSで特定される時代の波間を、
自らあつらえた舟に乗りこみ、
羅針盤をたずさえて、
しずかに旅してみたいと思う。

2017年3月 遠山由美



遠山由美
東京生まれ。1999年よりGALLERY360°を中心にニューヨーク、ベルギーなど国内外で個展グループ展多数。ベルリンAkademie der kunstで作品所蔵 作品集『両面文字』、訳書『書字法・装飾法・文字造形』『漢字物語』がある。 代官山ヒルサイドライブラリーにてドゥブサル写本室を主宰。

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