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小杉 武久 Takehisa Kosugi

 1938年東京生まれ。東京芸術大学音楽学部楽理科卒。

 1960年「グループ・音楽」という日本で最初の集団即興演奏のためのグループを共同結成。60年代初めには、イヴェント作品が「フルクサス」によって欧米に紹介され、彼らによって演奏される。1965〜67年ニューヨークに滞在し、ミクスト・メディアによる作品の制作と共に、ナムジュン・パイクらフルクサスのメンバーと演奏を行う。また、1965年/66年/67年の「ニューヨーク・アヴァンギャルド・フェスティヴァル」に参加。1969年よりミクスト・メディアによる集団即興演奏を行う「タージ・マハル旅行団」のメンバーとして活動。1971年には、ストックホルムの現代美術館で開催された「ユートピア&ヴィジョンズ 1871-1981」展に参加し、会期中複数回の演奏を行う。その後、1971年から72年にかけて、ヨーロッパ各地でコンサートを開催すると共に、ヨーロッパから中近東を経て、インドのタージ・マハルへ至る「トラベリング・イヴェント」を遂行した。

 この間、1970年に大阪で開催された「日本万国博覧会」の委嘱により、「お祭り広場」ための音楽3作品を作曲した。

 1977年アメリカに移住し、「マース・カニングハム舞踊団」に専属作曲家/演奏家として参加。ジョン・ケージ、デイヴィッド・テュードアらと活動を共にし、1995年から2011年12月のニューヨークでの最終コンサートまでの間、同舞踊団の音楽監督を務めた。

 個人としても、様々なフェスティヴァルでの演奏やコンサートを開催すると共に、サウンド・インスタレーション作品を世界各地のギャラリーや美術館で発表した。

 近年では、2015年に個展(アイコン・ギャラリー、イギリス、バーミンガム、)、同年、2日間の自作コンサート(ホイットニー美術館、ニューヨーク)、2016年「あいちトリエンナーレ 2016」(名古屋)の国際展とパフォーミング・アーツの両部門に参加、2017年には個展「音楽のピクニック」(芦屋市立美術博物館)を開催するなど、2018年10月に逝去するまで、常に現代芸術の最先端で活躍をし続けていた。

1966年と1977年に「ロックフェラー三世基金」、1981年「DAAD」(ベルリン)、1994年にはファウンデーション・フォー・コンテンポラリー・アーツから「ジョン・ケージ・アワード・フォー・ミュージック」を受賞している。