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永島京子「GIFT」
2月1日(水)〜2月18日(土)
2017年
この度ギャラリー360°では永島京子新作「GIFT」を開催します。
2016年 7月にフランス ジヴェルニーのモネの庭を訪れ、撮影した睡蓮のシリーズを中心に制作したレンチキュラ・レンズの作品を展示します。
Kさんは私に再びそこへ行ってみてはどうかと提案した。
花が美しく咲く頃まで8ヶ月待って、向かった。
いくつもの言語が聞こえ、誰もが笑顔で池の縁に立っている。
私は朝から夕時までただ水面を見つめていた。
水面は空を、雲を、木々を、風を、光によってゆらゆらと映し出していた。
翌日、その池が描かれたあの絵の前に立ってみた。
まるで、同じだった。私が凝視した風景と。
それは抽象的でありながら、驚くほど的確に描かれた写実的な絵画でもあった。
画家はこの一連の作品群を、1918年第一次大戦の休戦翌日、フランス国家に寄贈することを決めた。
人々が永遠に平穏に瞑想する場所を創造することを願い、後に美術館に納められた。
画家の願いは今も効力を持つのだ。
そしてあの池もまた、100年経っても200年経っても変わらずに、様々な国の人たちが訪れるのを待っているに違いない。
そんな池を見たと、Kさんに伝えようと思う。
永島京子